Maneoへの投資

ソーシャルレンディングを知った当時、maneo以外にもいくつかの会社が今でいうソーシャルレンディングに相当する事業を手掛けていましたが、maneo社がユニークであったのは、バルク案件をまとめて投資信託化するのではなく、案件ごとに募集しているという点で、これが私は気に入りました。数年後には上場企業であるSBIのグループ会社が参画してきますが、こちらはどちらかというと案件の詳細が分からず投資信託化した商品であったように見えていました。

もともとKivaのアイデアに感銘を受けて始めたという経緯がありましたので、私には個別案件を選択して投資できるという点にはこだわりがありました。

業界全体の成長と知名度の向上により市場全体での取扱額も大きくなっていき、それに合わせて私の投資額も上がっていくことになるのですが、上記のこだわりから大部分の投資案件は結局maneoグループのものとなりました。

 

後に私は多額の期失案件を抱えて苦しむことになりますが、今でも業界における当時のmaneoの功績は大きかったと思っています。

Maneo社長の瀧本氏はやり手であり、新しいことを柔軟に進める能力があったと思います。また彼が当時発信していたメルマガには内容があり、勉強になりました。(現在は多くが削除されています。)Maneoは当初は飲食店への小型融資案件が中心ではありましたが、今後の成長の方向性として機関投資家案件の民主化というスローガンをかかげており、私も共感していました。事実、2018年の最初にはpre-reit案件も登場し、案件の質の向上も感じていました。

 

結果論としていうと後に大量発生する期失案件は2018年初頭の募集案件から始まっており、この時期には投資のブレーキを踏んでいなくてはいけなかったのですが、当時その雰囲気を感じることは難しかったです。

瀧本社長のメールではトーンが落ちており、分散投資を促す発言が多くなっていましたが、それも一部の高利回り案件のことを示唆しているのだろうとしか思っていませんでした。(私のメイン投資案件は利回り5%前後のものが中心でしたので。)

2018年6月にはグリーンインフラ問題が発生しました。ただ、正直グリーンインフラは典型的な(実質)無担保の高利回り案件でしたので、事業者固有の問題であり、問題は他グループやmaneo本体には大きく飛び火しないと思っていました。そのため、Maneoへの信頼を落とすことなく、その後も投資を続けてしまいます。

結果的に2018年11月に川崎およびガイアで大ダメージを被ることになります。

もっともこれらの案件は2018年の前半に投資済みであったため、たとえグリーンインフラ事件以降にブレーキを踏んでも間に合わなかったことになります。