現在の期失案件状況

前回の記事から時間が空いてしまいましたが、期失案件の経過報告です。

当初は誠実に対応しているように見えたManeoマーケットも徐々に様子がおかしくなり、回収経過報告も非常に不自然で内容が薄く、時間稼ぎをしているような印象を与えるものばかりになっています。回収状況について説明を求めても回答を拒絶されるため、投資家として案件の本当の姿が全く見えない状況になっており、返金の見通しも立っていません。

昨年9月に経営陣は従前の瀧本氏や石川氏(元UBI、リクレグループ)から佐藤氏、藤澤氏などのJトラストグループに代わっていますが、残念ながら投資家への対応に変化は全くありませんでした。

Jトラストのグループ会社であるパルティー債権回収会社に回収業務を委託する方針となったため、投資家が資金を預けているManeo社から委託費用が支払われているものと思われますが、委託の効果を投資家として実感する機会もありません。

唯一の成果として外部委員会による調査レポートが公表され、以前の経営者であった瀧本氏や石川氏の責任について言及する内容はありました。

https://cdn.maneo.jp/material/fund/news/20200319_h.pdf

しかしながら、そのレポート内容をもとにManeoとして投資家にどのように責任をとっていただけるのかを問い合わせても回答を拒絶されました。

この状況にいたって、このまま待っていても資金が返金される見込みはないのではないかと感じるようになり、現在は法的措置も含めて検討しているところです。

 

 

 

期失案件の状況と振り返り

2018年11月の川崎案件、ガイア案件は非常にセンセーショナルな期失案件でしたが、その後も継続的に期失を受け続けることになりました。無事案件が償還された時の喜びと不幸にして期失案件を引いた時の落胆とを毎月のように味わう状況は、毎月ロシアンルーレットをプレイさせれている感覚で精神的にはつらかったです。ひどい時には月に2件以上の期失をくらいました。現在もまだ運用中の長期案件はありますが、無事償還されることを祈るばかりです。

 このブログは投資の振り返りを主なテーマにしている関係上、今回受けた期失案件の調査と分析は重要なテーマであると思います。また、失敗案件からしか重要なことは学べないと思いますので。maneo社からの進捗報告に加えて、自らの分析調査も加えることで、期失案件の実態や教訓について、今後ブログで適宜ご報告していこうと思います。

なお、Maneo社は2019年9月にJトラストグループに買収されました。(正確にはJトラストグループの代表取締役である藤澤信義氏の資産運用会社NLDH社の支配下に入ります。)Jトラストはグループ企業として債権回収会社パルティール社を有しており、2019年12月現在、Maneo及びガイアが抱える期失案件のほとんどをパルティール社が主導して回収する旨を表明しています。パルティール社は実績のある債権回収会社ですので、その回収手腕にも今後注視していきたいと思います。

 

Maneoへの投資

ソーシャルレンディングを知った当時、maneo以外にもいくつかの会社が今でいうソーシャルレンディングに相当する事業を手掛けていましたが、maneo社がユニークであったのは、バルク案件をまとめて投資信託化するのではなく、案件ごとに募集しているという点で、これが私は気に入りました。数年後には上場企業であるSBIのグループ会社が参画してきますが、こちらはどちらかというと案件の詳細が分からず投資信託化した商品であったように見えていました。

もともとKivaのアイデアに感銘を受けて始めたという経緯がありましたので、私には個別案件を選択して投資できるという点にはこだわりがありました。

業界全体の成長と知名度の向上により市場全体での取扱額も大きくなっていき、それに合わせて私の投資額も上がっていくことになるのですが、上記のこだわりから大部分の投資案件は結局maneoグループのものとなりました。

 

後に私は多額の期失案件を抱えて苦しむことになりますが、今でも業界における当時のmaneoの功績は大きかったと思っています。

Maneo社長の瀧本氏はやり手であり、新しいことを柔軟に進める能力があったと思います。また彼が当時発信していたメルマガには内容があり、勉強になりました。(現在は多くが削除されています。)Maneoは当初は飲食店への小型融資案件が中心ではありましたが、今後の成長の方向性として機関投資家案件の民主化というスローガンをかかげており、私も共感していました。事実、2018年の最初にはpre-reit案件も登場し、案件の質の向上も感じていました。

 

結果論としていうと後に大量発生する期失案件は2018年初頭の募集案件から始まっており、この時期には投資のブレーキを踏んでいなくてはいけなかったのですが、当時その雰囲気を感じることは難しかったです。

瀧本社長のメールではトーンが落ちており、分散投資を促す発言が多くなっていましたが、それも一部の高利回り案件のことを示唆しているのだろうとしか思っていませんでした。(私のメイン投資案件は利回り5%前後のものが中心でしたので。)

2018年6月にはグリーンインフラ問題が発生しました。ただ、正直グリーンインフラは典型的な(実質)無担保の高利回り案件でしたので、事業者固有の問題であり、問題は他グループやmaneo本体には大きく飛び火しないと思っていました。そのため、Maneoへの信頼を落とすことなく、その後も投資を続けてしまいます。

結果的に2018年11月に川崎およびガイアで大ダメージを被ることになります。

もっともこれらの案件は2018年の前半に投資済みであったため、たとえグリーンインフラ事件以降にブレーキを踏んでも間に合わなかったことになります。

 

ソーシャルレンディング投資のきっかけについて

ソーシャルレンディングに関心をもった最初のきっかけはアメリカにあるKivaという会社を友人を通して知ったことです。

https://www.kiva.org/

こちらは投資家にとっては、完全なNon-Profitable案件で発展途上国で事業等でお金を必要としている方に無利子で貸し付けるというスキームでした。お金を借りたい人がその理由や返済計画などをサイト上でアピールしており、気に入った人に貸付をするというスキームで、ちょっとしたエンジェルのような気分を味わえます。

このプラットフォームのアイデアはすごく面白いものだと思いましたが、資金の出し手にとっては完全にボランティアですので、私の投資額もあまり大きな金額になることもありませんでしたし、どちらかというと社会勉強という位置づけでした。

このアイデアが日本でもないかと漠然と思っているうちに、maneoを発見しました。確か2011年頃であったと思います。非常におもしろくセンスがあると思ったのは、貸付対象を企業にしているところで、利息というリターンを提供しているところでした。

とはいえ、当初はKivaの日本版というイメージではじめており、本当に元本が返ってくるかどうかも分からなかったため、わずかな金額を投資してみて勉強しているという位置づけでした。

 

 

はじめに

2012年の比較的初期の段階からソーシャルレンディング投資をみてきました。
株やFXの補完投資対象として、当初は少額でトライしていたのですが、時代のブームでソーシャルレンディング業界が注目されるようになり、それにあわせて徐々に投資額を増やしていきました。

成長を続けていた業界は、2018年から曲がり角を迎えます。複数の運用会社で多数の期失案件が発生するようになり、私個人も数百万円の期失案件をかかえるようになってしまいました。
ここでは今一度自らの経験を整理して振り返り、今後の糧としたいと思います。またこのサイトが読者の皆様の何かしらの参考になれば幸いです。